10数年前,夏場にはパソコンをあおいで使うこともあった(^_^;)。そうしないと,フリーズするのだ(熱くなって止まってもフリーズとはこれいかに(^^ゞ)。パソコンの発達の歴史の裏側は,「発熱」との戦いでもあったの,だが…。
これまで沈黙を守ってきた米国トランスメタ社が19日,1ワットという低消費電力で700MHzでも動作可能なクルーソー・プロセッサーを発表した。このチップはコードモーフィング技術によって,ウインドウズのすべてのアプリケーションの実行を可能にしている。また,ロングランと呼ばれる電源管理技術で,使用するアプリケーションによって電圧とクロック速度を変化させ,電源消費を抑えている。スリープモードでは,わずか20ミリワットを使用するだけとなっている。
同日,AMDからアナウンスされたK6-2Eというプロセッサーは,350MHzのローパワー版でさえ,11ワットの消費電力。700MHzで1〜4ワット程度に抑えられるクルーソーは,格段に違いを見せつけている。まぁAMDチップの消費電力の多さは閉口ものだが(たぶんペンティアム3との熱温度比較のデータ写真(^^ゞ)。さらにクルーソーは,どのようなソフトウェアが使われているか,どのような処理が行われているか,などを命令処理ソフトが学習していき,さらなる消費電力の低下を実現していく。いわば,生き続けるための頭脳を持ったチップというところか。
パソコンは性能があがればそれだけ熱を出すもの,という固定概念が我々にはある。だから,とんでもない高性能チップには,扇風機のようなファンや化け物のようなヒートシンクが付いていたり,冷却水が絶えず循環しているような絵を想像してしまう。だが,チップ自体の構造を単純にできれば,そんなものは必要なくなる。トランスメタの“冷たい”衝撃は,その方法を(命令処理ソフトという方法で)産出したことに起因している。
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